口腔ケア

口腔乾燥は、健康を害するばかりでなく生活の質(QOL=Quality of Life)にも大きく影響します。 口腔乾燥の原因と症状を知ることで、唾液がいかに健康維持に深く関わっているかということを知ることができます。
Saliva and Health

唾液はあなたの健康に深く関わっています

口腔乾燥は、健康を害するばかりでなく生活の質(QOL=Quality of Life)にも大きく影響します。 口腔乾燥の原因と症状を知ることで、唾液がいかに健康維持に深く関わっているかということを知ることができます。

口腔乾燥が疑われる症状

●口の中が乾く、粘つく不快感
●しゃべりにくい
●食べにくい、飲み込みにくい
●味覚がおかしい
●口臭が気になる
●舌がいたい
●虫歯、口内炎ができやすい
●口唇や口角がひび割れる
●義歯がうまく合わない
●夜起きて水を飲みたくなる

口腔乾燥の原因

●膠原病(シェーグレン症候群、リウマチなど)、糖尿病、 腎疾患(透析)、脳血管障害後遺症、他
●がん放射線治療、化学療法、移植(GVHD)
●人工呼吸器、経管栄養摂取、酸素吸入
●薬の副作用:抗コリン剤、抗ヒスタミン剤、不整脈用薬、降圧剤、高脂血症薬、利尿剤、抗うつ剤、抗不安剤、向精神薬、睡眠薬、精神安定剤、鎮静剤、統合失調症治療薬、抗パーキンソン病薬、抗てんかん薬、麻酔鎮痛剤、気管支拡張剤、他多数
●加齢 ●ストレス、喫煙、飲酒 ●口呼吸、開口傾向   
●乾燥した空気、脱水、発熱

※口の渇きは、病気の重要なサインである可能性もあります。気になる場合は自己判断せずに医師にご相談ください。

唾液のはたらき ①

●唾液の分泌量
1日に約1000〜1500ml
安静時 毎分0.3〜0.4ml
刺激時 毎分1〜2ml
●唾液の主な作用
・浄化作用 ・殺菌作用 ・消化作用 ・再石灰化作用 ・緩衝作用

大唾液腺と小唾液腺から分泌されます。 正常な唾液の分泌量は1日あたり平均1.0~1.5ℓです。 常に口の中には2~3㎖存在しています。 その内1㎖は口腔底に、 2~3㎖は粘膜や歯面に 存在しています。

大唾液腺:耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあります

小唾液腺:舌や口蓋など粘膜面に多数 存在しています

※唾液分泌は一般的に夜になると減少します。この時、唾液の作用とその機能も低下します。

唾液のはたらき ②

●口の中をきれいにします。(自浄作用)  
唾液は99.5%が水分であり、安静時0.3㎖/分、食事時などは1.0~1.7㎖/分も分泌され、口の中を洗い流しています。 また、細菌を凝集させる働きもしています。

 

●食べ物を消化します。(消化作用)  
唾液にはアミラーゼ、リパーゼなど、デンプンを麦芽糖に変える消化酵素が含まれています。

 

●咀嚼・嚥下・味覚を助けます。(凝集・溶解作用)  
食物の表面を柔らかくし食塊を形成し咀嚼(嚙み砕く)と嚥下(飲み込む)を容易にし、また、食物を溶解して 味蕾(みらい=味覚細胞)に運び、味を感じさせます。

 

●微生物と闘っています。(生体防御・抗菌作用)  
唾液1㎖中には約7~8億個の常在細菌が含まれており、細菌同士がバランスを取り合い共生し、外来細菌が口の中へ侵入した時、 バリアとして作用しています。唾液の抗菌因子には免疫グロブリン(IgA、IgG、IgMなど)と非免疫グロブリン(ラクトフェリン、 パーオキシダーゼ、リゾチームなど)があり、常在細菌が増えすぎないようにコントロールしながら、病原菌などの外来細菌から 身体を守る働きをしています。

 

●口の中のpH(ペーハー)を調整しています。(緩衝作用)
唾液に含まれている重炭酸イオンやリン酸イオンは、飲食物や菌によって産生される酸を中和してpHを元の状態に戻します。

 

●粘膜を守っています。(潤滑作用)  
ムチンなどの成分は口の中の粘膜が切れたり割れたり摩耗しないように保護しています。

 

●歯を守り、修復しています。(再石灰化作用)  
唾液は抗菌作用、緩衝作用により歯を守ると同時に酸で溶かされてしまったエナメル質をカルシウムやリンなどを再沈着させ修復します。

 

●発声を助けます。(円滑作用)  
構音・発話・発音をスムーズにします。

この他、老化防止ホルモンと呼ばれているパロチン、傷ついた細胞の修復を即す EGF(上皮成長促進因子)、脳神経の成長を促すNGF(神経成長促進因子)など、 重要な物質が含まれていることが専門家により研究・発表されています。

■実践アドバイス(発泡洗浄剤、アルコール)

口腔乾燥の方は、低刺激性の口腔ケア製品をお使いになることをお勧めします。 歯みがき剤に発泡洗浄剤として含まれている「ラウリル硫酸ナトリウム」は口腔粘膜に刺激を与えると言われています。洗口剤に含まれている「アルコール(エタノール)」は口腔粘膜を乾燥させ、刺激を与えることが知られています。

口腔の唾液の役割

① 唾液は、歯や歯ぐきについた食べ物を洗い落とし、口の中の組織をきれいにする。

② 唾液は科学的に酸性度調節を行ったり、抗バクテリア活動を行ったり、滑らかさをもたらして保護したり、 きれいにしたりして、歯と膜を保護する。

③ 唾液は、澱粉を科学的に消化させる酵素プチアリンを出す。

④ 唾液は、乾いた食べ物を湿らせ、食べやすいようにして消化を助ける。

⑤ 唾液は、舌の動きに必須の滑らかさをもたらす。

⑥ 唾液は、食べ物に滑らかさを与え、飲み込みやすくさせる。

⑦ 口の内側の構造のすべてを覆う粘膜は、唾液によって湿り気を与えられ滑らかになる。

⑧ 唾液は、固体の食べ物を溶かし、流動物にして、味覚に感じやすくさせる。

⑨ 食べ物をかみ砕く時に、食べ物と混ざり、湿らす。

⑩ 唾液は、乾いた食べ物を湿らせる。それが窒息や吐きそうになることを防ぐ。

⑪ 唾液は、どろどろした食べ物の固まりを飲みやすい半固形の固まりに作り上げる。

⑫ 唾液は、一日中湿り気と酵素を出して、胃で行われる消化を継続させる。

ふぁんふぁんブラシを使用する前に歯ブラシで歯を磨いておきましょう

ふぁんふぁんブラシの効果

・口腔機能の向上につながる

・舌の動きがよくなる

・唾液分泌を促進する

唾液の効果

・咽頭の渇きが気にならなくなる   

・舌苔の除去が可能

・会話がしやすくなる        

・咽頭の細菌を少なくする

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